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床板

■「豆の家」のアイアン階段

スキップフロアの踊り場と2階を繋ぐアイアン階段。ひな壇状に加工されたアイアンのササラ板と40oの杉板でつくり、軽快な印象ながらも存在感のある階段となった。

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■「ここらぼの家」のアイアン階段

1階と2階を結ぶ直階段。アイアンのササラ板から栗材の段板が跳ね出し浮遊感のある階段となった。階段下にカウンターを設け、家族皆の机として利用できる空間を提案している。

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 木の家の主役は言うまでもなく『木』ですが、家のすべてが木で出来ているわけではありません。基礎にはコンクリートや鉄筋、屋根には瓦やガルバリウム鋼板、また、トイレや洗面化粧台、キッチンの陶器やステンレスなど…それぞれの素材には特性があり、強度や耐久性、つくりやすさや使いやすさなどにも合わせて適材適所で素材を変えて使われています。

 木は軽量で加工性が良く、また見た目の美しさや肌触りなどが良いバランスのとれた素材だと思いますが、鉄やコンクリートに比べて剛性が低く、使う場所によってはデザインや納まりとのバランスも考えなければいけないと感じています。特に階段は広間の中心や吹抜け部分に配置されることも多く、デザインとつくりやすさの面から木だけでは解決できないこともあります。ココラボでは数年前からアトリエプラトーさんの協力をいただき、アイアンを使った階段をいくつか制作してきました。

 溶接や曲げなどといった鉄ならではの加工の他、木に比べて小さな部材で強度を確保できるので、見た目にも軽快な階段をつくることが出来ます。一見鉄は冷たい印象で木の家には不釣り合いだと感じるかもしれませんが、アトリエプラトーさんの生み出すアイアンは独特の叩き模様や絞りが加わり、木に合った優しい表情の手摺などをつくることが出来ます。また、全てを鉄でつくるのではなく、段板と呼ばれる踏み板の部分を木でつくる事で踏み心地も良く、木の家の雰囲気に合った階段をつくる事が出来ます。

 鉄は形も様々で、丸棒や角棒を使って加工をしたり、熱を加えて曲げたりひねったりすることで様々なデザインを楽しむ事も出来ます。ココラボの家づくりの中でも機能や耐久性を考えていくつかのタイプを試み、お施主さんと共に新しい階段を生み出してきました。鉄は木には無い特性を持ち、無限のデザインが考えられると思いますが、デザイン自体が構造体であり、一本の手摺や支柱の形や取り付け方がとても大切になってきます。厚みや太さ、ボルトの大きさや位置など、すべての材料にデザインと強度的な意味があり、それらが上手に組み上がってこそ魅力的なアイアン階段が出来上がると思います。今回は、細部の工夫と納まりを中心に今まで制作した一例も合わせてご紹介したいと思います。


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