ここらぼスクール

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今、世界中の国々が地球温暖化防止対策に取り組んでいます。
2020年までに温室効果ガス25%削減(1990年比;鳩山首相)と日本が目標をかかげていますが、 もはや企業努力だけでは、追いつかないのが現状です。100年、200年後の地球に少しでも良い環境を残すにためには、 私達消費者も1人1人の暮らし方を見つめ直す必要があるのではないでしょうか?

そんな中、国産材利用や省CO2・省エネルギーといった内容を各メディアが取り上げる事も多くなりました。 これらの大きな環境問題は簡単に解決する事は難しく、いずれ私達自身に降りかかってくる問題でもあります。 そのためにも、今から私達は暮らし方を考え直していく必要があるのではないでしょうか。

本講座では、地球環境と暮らしを共通のキーワードに、 ウッドマイルズと環境家計簿を通じて身の回りの物や暮らしのことを、皆さんと考えていきたいと思います。

 【1時間目】ウッドマイルズ/この木って何処から来たの?

 【2時間目】我が家の『環境家計簿』をつけてみよう!

【1時間目】ウッドマイルズ この木って何処から来たの?

私達の身の回りには、木造住宅から文房具まで木材が多く使われています。 木は温もりがあり心が休まる、また、環境にも優しいというイメージがあります。

実際に、木は成長過程で二酸化炭素を吸収し、柱や梁等の木材となってからも炭素を固定し続けます。 また、木材は再生可能な天然資源であり、加工するエネルギーが極めて少ない建材の一つとしても知られている事から、 環境にやさしい材料「エコマテリアル」と呼ばれています。しかし、その木材利用量の8割を輸入材に頼っている日本では、 木材の輸送時に大きなエネルギー消費をしてしまい、結果的に、環境に優しいはずの木材が環境に優しくない利用のされ方をしているのが現状です。

日本と世界の森林。

講師

森林は、私達が安心して生活をする上で欠かせない存在です。水源かん養、土砂崩れ等の自然災害防止、 水質や大気の浄化、生物種保護、私達人間にも様々な恵を与えてくれます。 しかし、日本の林業の低迷により管理放棄された人工林が増加し、災害を生む可能性のある危険な山が増大しています。 地球温暖化が叫ばれている今だからこそ、適切な森林管理することで、山の循環を生み出し、本来持つ森林のCO2吸収率を回復する事が出来ます。

また、世界の森林では違法伐採などにより、減少に拍車を掛けていることも問題視されています。 ロシア等から中国を経由する違法伐採木材や、それらを使用した加工製品の日本への輸入量も増加していると推測されており、 知らないうちに私達は違法木材を購入している可能性もあるのです。

まずこの言葉の意味を知ろう!

木材はどこから運ばれてきているの?
どれくらいのウッドマイレージがかかっているの?
日本の森林、世界はどうなっているの?

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ウッドマイルズができること。

私達消費者に、出来る事は限られているかもしれません。 でも、国産材を使う事は、これからの日本の林業の活性化や世界の森林減少、違法伐採の回避といった問題に繋がっていくはずです。 ウッドマイルズは、エネルギー消費量やCO2排出量を数値化する事で、地域材利用の環境貢献を知る事ができます。 また、木材のトレーサビリティの確保により流通経路が分かるため、消費者がこの木って何処の山から来たの?と思いを巡らせ、 山の事を考える事にも繋がると考えます。

現在、適切な森林経営を証明する森林認証制度や、合法性を証明する合法木材証明制度等、様々な取組が始まっていますが、 認証材・合法木材だから大丈夫というのではなく、木材の背景には世界や日本の森林があり、 私達一人一人がそれらに思いを馳せ考えていく事が必要なのではないでしょうか。

(滝口氏の講演会から抜粋)

※トレーザビリティ:生産者や生産地等を含めた履歴を辿れるしくみ

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【2時間目】我が家の『環境家計簿』をつけてみよう!

私達は、水道・ガス・電気など生活の中で多くのエネルギー消費をすることで、CO2排出の要因となり、 環境へ大きな負荷をかけています。それらを知るために作られたものが環境家計簿です。

各家庭の暮らし方や取り組みで、エネルギー量やCO2量を削減できる部分がたくさんあります。 では、環境家計簿を付ける背景には何があるのか、探していきたいと思います。

まずはこの言葉の意味を知ろう!

環境家計簿の全貌!

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地球温暖化を知る

最近、地球温暖化が問題となっています。近年の日本の温室効果ガスは約95%が二酸化炭素だと言われ、 世界や日本の平均気温の推移をみても、二酸化炭素が地球の気温上昇にある程度関与しているだろうと推測されています。

過去100年で地上の平均気温は0.74℃上昇し、干ばつやマラリア感染域の拡大、飢餓等の被害が出る危険性があるとされる、 気温上昇のボーダーラインまで、あと1.3℃と予測されています。

しかし、現在のCO2排出量は、地球が吸収出来る量=31億炭素トン(炭素換算)を倍以上も上回る、72億炭素トン(炭素換算)にもなります。 今後、世界中で温暖化防止対策が進み「環境の保全と経済の発展が両立する社会」となったとしても、 今世紀末の平均気温は約1.8℃程度上昇すると考えられています。

現在の排出量を減らすには、世界全体で60〜70%の削減が必要と言われ、先進国ではさらに削減が必要です。 また、CO2は分解されるまでに、数十年から最長200年もの期間がかかるため、今の私達の生活や暮らし方が、 100年後の人達が生きる地球環境を決めてしまうことに繋がるのです。

地球温暖化のしくみ

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家庭の消費エネルギー

では、家庭のエネルギー消費には、どのようなものがあるのでしょうか。その割合は、図のように給湯、 家電製品、暖房の順となり、季節的な利用しかしない冷暖房エネルギーよりも、 給湯エネルギーを削減する事が効果的だという事が分かります。例えば、太陽熱温水器や高効率のガス機器を選択する事で約10%程度、 エコキュートの省エネモードを使うと30%の給湯エネルギーの削減ができます。 また、サーモスタット付き水栓を選択する事や連続して入浴することでも給湯エネルギーや節湯ができるのです。

また、暖房エネルギー削減の観点から言うと、化石燃料を使用せずに暖房ができ、CO2もカーボンニュートラルになるため、薪ストーブが有効です。 また、燃料となる薪は、森林保全や森林資源の有効利用の点からも、最適な資源です。

※カーボンニュートラル:排出される二酸化炭素と吸収される二酸化炭素が同じ量であるという概念。

家庭のエネルギー消費量の割合。カーボンニュートラルイメージ

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環境家計簿によって何が見えてくるか?

環境家計簿として様々な消費エネルギーをまとめ数値化し、その削減項目と目標を明確にすることで、 家庭でどんな取り組みをすれば良いかが見えてきます。そして、 その取り組みの中で、環境問題といった背景も少しずつ分かってくるのではないでしょうか。

今回、地球温暖化問題に焦点を当て、環境家計簿の話をしてきましたが、地球上には、廃棄物問題や水質汚染、 大気汚染、土壌汚染等様々な問題が多くあります。例えば、古紙や飲料容器、トレイをリサイクルに出すことで、CO2や廃棄物削減に繋がり、 洗剤や石鹸を適量使用することでは、水質汚染や土壌汚染の抑止となり、少し考えるとそれぞれの取り組みの背景には複数の問題がある事が分かります。 私達一人一人が意識して生活する事で、小さい事でも大きな成果につながるのです。

(辻氏による講義より抜粋)

暮らしの工夫

講座開設者によるエココンテスト!

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参加者の感想/スクールを終えて

  • オール電化は、光熱費は削減されてもCO2は削減されているわけではないと分かり、各家庭に合ったエネルギー選択が大切だと感じた。 木造住宅は他の工法の住宅より環境にやさしいという事を知り、住宅を建てる時は木造にしたいと思った。[30代/女性]
  • 木材の経路などがわかりました。参考になりました。これからの自分の生活等、ムダを無くしてCO2削減だなと思いました[30代/女性]
  • 勉強になりました。建てる家の省エネに関する事に興味を持つという事は、CO2削減にも繋がると思うので、 それらも含めて家造りの参考になりました。[40代/男性]
  • 「ウッドマイルズ」の方では、家を建てる時には、資材はなるべく地域の物を使いたい。というのが理想なので、 実際の色々な方面からの様子や数字を知る事が出来てよかったです。「環境家計簿」については、 以前から電気使用量等改善していかなければ…と思っていましたが、 家庭で気をつけて行く事がCO2削減にもつながる事が分かりました。[40代/女性]
  • 考える機会になりました。2つの講義がもっと普及する為に、実践への方法が必要と思いました。[30代/男性]
  • 現代求められている家造り・省エネ・省CO2に関する一般消費者へのアプローチと、大変科学的、 データ的に魅力があるものだと思いました。ウッドマイルズと自立循環の会員として、更に精進したいと思います。[50代/男性]

スクールを終えて

日頃、よく耳にする地球温暖化。その背景には、違法伐採や石油資源の問題、また、廃棄物や水質汚染、 大気汚染といった問題も見え隠れしています。今年度の講座全てを振り返っても、様々な問題は、 最終消費者である私達一人一人の行動が、発端の可能性もある事を忘れてはいけないのだと改めて思いました。

表面だけの言葉や情報だけでなく、その裏側にある事実をちょっとでも知れば、 私達消費者はそれを基準に様々なものを選択する事ができます。環境問題と肩肘張らず、家族ができる範囲で工夫してみるといった事で、 その積み重ねが大きな物となり変わっていくのだと思います。また、山の事や生産者を思いやる気持ちが、日々の豊かさに繋がっていくのだろうと思いました。

来年度も『ここらぼスクール』では、「自分で考え、自分で出来る暮らし方」を一緒に学ぶ講座を予定しています。 今後も、スクールを活用していただき、暮らしの中での判断材料としていただければと思います。ご意見やご要望お待ちしております。

(文/ココラボ 夏梅真澄)

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