ここらぼスクール

↑ ここらぼスクール2013へ戻る




 2013年のここらぼスクールの第1回目は、建築材料の中でも特に身近な「土」を使った左官ワークショップを開催しました。左官仕事というと、経験豊富な職人さんがコテを使って壁や床をきれいに仕上げていく素人にはとても難しい作業ですが、今回は初心者でも挑戦できるように、あらかじめ調合した「土」と「日干し煉瓦」を使った卓上コンロ作りにチャレンジしました。

第1回目は、ココラボの家づくりでいつもお世話になっている左官職人・山脇さんを講師に迎え、「土」をテーマとしたワークショップを行いました。今回は山脇さんの提案で日干し煉瓦を使った卓上コンロ作りにチャレンジしましたが、実際の作業だけでなく「土」という素材や左官の仕事についても様々なお話を伺うことができ、内容の濃い一日となりました。また山脇さんのお人柄からか、たくさんの質問や楽しいお話も飛び出し、和やかな雰囲気の中でワークショップ行う事ができました。

「土」を知って活かす術

皆さん特に興味深く耳を傾けていた話題は、土の種類や性質についてです。「土」といっても、左官の材料には様々な色土が使用されており、自然素材であるため産地によって色や性質が異なります。土の産地は淡路が多く、残念ながら静岡では良い土が取れないそうです。また、「土」だけでは水と混ぜても十分な粘り強さが出ないため、「砂」「藁スサ」を加えて練り、左官材料である土となるのです。

 今回使用した日干し煉瓦や上塗りの土も、「土」と骨材の「砂」、そして、つなぎの役割をする「藁スサ」を加えて練った物を使用しています。原材料は同じでも配合を変えるだけで、下地材になったり、上塗り材になったりします。実際使用する材料の調合では、仕上げに使用する上塗り用には、「土」や「砂」、「スサ」は細かい物を入れて調合していくそうです。それら素材の性質を見極めた上で職人さんが、水や砂、スサの配合を調整する事が、仕上がりの良し悪しにも影響してくるんですね。

「土」と「乾燥」の深い関係

そして、身をもって体験したのが左官作業における乾燥の重要性です。ワークショップでも日干し煉瓦を積んだ時点で乾燥時間をとりましたが、建築現場においても、壁を塗って仕上げる際に乾燥のタイミングは重要です。現場によって気温や湿度など気象条件が異なるため、下塗りから上塗りまでに必要な乾燥時間を見極めないと、乾燥による収縮やヒビ割れを招くおそれがあります。きれいに仕上げるためには、乾燥の具合やコテの押さえ加減など、素材を知り尽くした職人さんの技術と経験をなくしてはできないものです。しかし、近年では工事期間を優先するあまり、乾燥や硬化に時間がかかる左官の技術を見かけることが少なくなりました。

 「土」や「漆喰」は、左官の素材の中でも昔からあるシンプルで安心して使える素材です。そして、これらの質感は、住まい手に心地よさをもたらしてくれます。しかし、それは素材を知り尽くした職人さんの技術と経験をなくしてはできないものだと、改めて感じることができました。「土」という素材はもちろんですが、技術の面からも信頼する職人さんに施工をしていただくからこそ健康的で安心できる空間づくりができるのだと思います。

 今回、参加者の皆さんと一緒に「土」という素材に直接触れ、性質や職人さんの技術について学ぶ事ができました。山脇さん、お忙しい中ありがとうございました。また機会があればよろしくお願いします。

▲ページの先頭へ

◎卓上コンロの作り方!

▲ページの先頭へ

参加者の感想/スクールを終えて

  • 「どんなものが出来るのか」「左官って!?」と不安でしたが、とても楽しい経験ができました。どれも単純な作業でしたが、できあがりには重要な作業でした。早くこのコンロでトウモロコシや秋刀魚を焼いて食べたいです。(参加者/女性)
  • 「左官の仕事ってすごい!」と思っていたところ、ワークショップがある事を知り参加しました。左官さんに直接教えてもらって体験できて、ますます左官さんのお仕事の素晴らしさ、日本の昔ながらの手仕事に感心しました。(参加者/女性)
  • この日は朝、雨降りでしたが、モルタルが乾く時間が速くタイルからはみ出たモルタルを水で濡れたハケで取り除く作業も少し急ぎぎみでした。晴れていなくても、気温や風で随分と乾きが速くなるものだと体験してみて分かりました。また、左官の原点となる材料「土」と「手」を使ったワークショップが今回出来た事が大変嬉しかったです。(ココラボ/夏梅)

▲ページの先頭へ

↑ ここらぼスクール2013へ戻る